2021年4月18日

公開中見に行けなかった『あのこは貴族』が八丁座で一週間限定の再上映をするということで観に行った。八丁座は地元にある好きな映画館で、観たいと思っていた映画を好きな映画館で見れることは幸せなことだなと思う。上映前にスタッフの方が前に出られて作品紹介のアナウンスをしたり、上映される映画のラインナップが痒いところにも手が届くラインナップであったり、半券に映画館からのメッセージが添えられていたり、スタッフの方々がこの映画館を愛しているんだなと伝わってくる。中でも一番好きなのが上映が始まるまで幕が閉まっているところ。内装は細部にいたるまで和で統一されていて、席の番号もアルファベットではなく、いろはにほへと、で統一されていて、歌舞伎座のような映画館です。八丁座には何回来てもわくわくする。広島が誇る文化遺産だと思う。八丁座から徒歩数分のところにあり運営元が同じサロンシネマという映画館もあって、この映画館も本当に素晴らしい映画館です。広島に来た際には訪れて欲しい特別な場所です。

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あのこは貴族

本当に良い映画だった。安易にカテゴライズしたり、無闇に言葉を繰り返すほど言葉の意味が薄まったりすることがあると思うので慎重に考えたいけど、求めていたシスターフッドの映画だと思った。華子と美紀の出会いは転機であって、再び会うような関係になるのではなく、その後は各々が属す階層で長い時間を過ごした友人の元へ帰っていく。継続的に関係が続くわけではなく、確実にお互いの人生に影響を与えるのが印象的だったけど、同時に階層という人間を住み分ける構造は確実に存在してるいるのだと感じた。「その日、何があったか話せる人がいるだけで、とりあえずは十分じゃない? 旦那さんでも友だちでも。そういう人って案外出会えないから」このセリフを大事にしたい。